能登半島だけに見られる独自の意匠「キリコ」
6市町で300余りのキリコ祭り、その数700本以上
 日本列島のほぼ中央に位置する石川県。日本海に突き出した能登半島には、縄文の頃から、大陸からさまざまな人々が渡来し、技術や文化をもたらした。さらに、「海の道」が主要交通路だった時代は、日本海沿岸各地との交流も盛んに行われ、いわば「日本海文化」の交流拠点の役割を担っていた。
 さまざまな交流の中で、独自の文化を育んできた能登半島には、今も、祭りをはじめとする貴重な民俗行事が受け継がれ、「民俗の宝庫」「祭りの宝庫」と呼ばれている。その中でも、能登半島に唯一、と言われる祭りが「キリコ祭り」である。
 「キリコ」とは、直方体の形をした山車(だし)の一種で、これに担ぎ棒がつけられている。切子灯篭(きりこどうろう)をつづめた呼び名で、切篭(きりこ)と書く。奥能登ではほとんど「キリコ」と呼んでいるが、中能登では「オアカシ(お明かし)」とか「ホートー(奉燈)」とも呼ぶ。
 神輿のお供として、道中を練り歩き、夜には中に明かりが灯り、大きな「行灯」となる。現在は高さ4〜5mのキリコが多いが、中には高さ15〜16m、100人以上で担ぐキリコもある。キリコが1本だけ出る祭りもあれば、50本を超すキリコが乱舞する祭りもある。
 能登半島12市町(石川県河北郡以北)のうち、キリコ祭りが行われているのは、珠洲市、能登町(旧内浦町)、能登町(旧能都町)、能登町(旧柳田村)、輪島市、穴水町、輪島市(旧門前町)、志賀町(旧富来町)、志賀町、七尾市(旧中島町)、七尾市(旧田鶴浜町)、七尾市(旧能登島町)、七尾市の6市町。毎年7月初旬から9月中旬までの約75日間に、合わせて300を超える地区(毎年開催されない小さな地区も含めて)でキリコ祭りが繰り広げられる。人口の減少(=担ぎ手の減少)とともに、キリコの本数は少なくなってはいるものの、現在も700本以上のキリコが、神輿のお供を務めている。

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