(おおば しょうぎょ)
蒔絵(まきえ)
重要無形文化財保持者
昭和57年(1982)認定
写真:品野輿四寛
略歴
大正5年3月15日−(1916−)
金沢市生まれ、本名大場勝雄(かつお)。石川県立工業学校図案絵画科を卒業後、上京して松田権六(まつだ・ごんろく)に師事。昭和20年(1945)以後、金沢で蒔絵作家として活躍。39年(1964)中尊寺金色堂保存修理の漆芸技術主任、52年(1977)金沢美術工芸大学教授、53年(1978)紫綬褒章。61年(1986)日本工芸会漆芸部会長、63年(1988)石川県立輪島漆芸技術研修所所長。金沢市在住。
平文(ひょうもん)技法を探究
大場松魚は、祖父から続く塗師(ぬし)の家に生まれ、父について家業のきゅう漆を学んだ後、昭和18年(1943)から金沢市県外派遣実業練習生として松田権六に2年間師事しました。金沢に戻った後も、伊勢神宮式年遷宮御神宝「御鏡箱・御太刀鞘」(昭和27・47年)や、昭和39年(1964)の中尊寺金色堂の保存修理に従事します。
文化財の豊富な保存修理を通じて蒔絵の古典技法に精通した大場は、平文技法の探究を行うようになります。平文とは金や銀などの板金を文様に切って器物に張る技法です。平文を施す器地は曲面の場合が多く張るのに苦心しますが、大場は、平文だけで複雑な絵画表現を可能にしました。
近年は、平文を中心に螺鈿(らでん)や変塗(かわりぬり)などの技法を駆使した華麗な作風で、鳥や草花をはじめとした万物の流転とその上に注がれる慈愛の光を表現しています。
|