百万石文化のあらまし百万石の今昔巨匠(故人) 松田権六 > 蓬莱之棚

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蓬莱之棚(ほうらいのたな)

昭和19年 1944
幅61.2×奥行37.3×高114.0
石川県立美術館

中国の伝説で、仙人が住み不老不死の地とされる霊山をさす蓬莱のテーマを松竹梅と鶴亀という吉祥文を使って表現している。松と梅は扉の裏に配するが竹は両扉と側面の網代で代用される。鶴は20羽の真名鶴を卵殻・平文などで全面におくのに対して、亀は水中に在るとして描かれていない。ただし、色紙箱に「世のために身をは惜しまぬ心とも荒ふる神は照らし覧るらむ」と散らし書きされている和歌が亀山天皇のものであることは単なる偶然ではないであろう。古様にのっとって両面開きの扉を持つこの棚の制作にあたっては、第二次世界大戦の敗色の濃い中、遺作となることを覚悟してのぞんでおり、作者の持てる総てが注ぎ込まれた結果、その代表作というにとどまらない近代日本工芸の頂点に立つ作品として評価されるにふさわしい最高傑作となっている。
(石川県立美術館優品図録・石川県立美術館)


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