(まえ たいほう)
沈金(ちんきん)
重要無形文化財保持者
昭和30年(1955)認定
写真:大堀一彦
略歴
明治23年11月10日−昭和52年6月8日(1890−1977)
輪島市生まれ、本名前得二(とくじ)。昭和5年(1930)帝展特選。日本工芸会創設に参画し、日本伝統工芸展を中心に活躍。39年(1964)紫綬褒章、41年(1966)勲四等瑞宝章。42年(1967)に設立した石川県立輪島漆芸技術研修所の指導に尽力し、52年(1977)輪島塗技術保存会会長に就任。
近代沈金の中興の祖
前大峰は、小学校を卒業後、沈金師3代橋本佐助に弟子入り。22歳で独立し、昭和4年(1929)に帝展に初入選、5年(1930)には「沈金遊鯰手筥(てばこ)」が特選となりました。従来の沈金が線中心で、平板で深みがない現状に飽き足らず、量感やぼかしなどの表現能力を広げることに苦心しました。線彫り、毛彫り、片切彫りや一刀彫りなど多彩な技法で近代沈金を完成させました。
中でも、新聞の写真印刷が網目の点の大小によって濃淡を出していることにヒントを得て、点彫りの詰め方を工夫した功績は高い評価を得ています。題材としては猫が多く、猫の全身の毛を点彫りで表現した、「沈金猫文けはひ飾筥(かざりばこ)」(昭和38年・1963)は前が到達した高い技術を伝える代表作の一つです。
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