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石川県とふぐ

ふぐについて

ふぐ毒の特徴

 猛毒を持つことで知られるふぐ。その毒はどのような性質があり、どれくらいの強さなのでしょうか。
ふぐ毒の正体はテトロドトキシン(Tetrodotoxin、分子式C
11H17N3O8)という物質。無色で無味無臭、末梢神経を麻痺させる作用があります。300度に加熱しても分解しないので、普通の加熱調理では毒性は消えません。 テトロドトキシン分子構造図

■ふぐ毒の強さ
毒の強さはマウスユニットという単位で表します。
1マウスユニットは体重20gのハツカネズミを30分で死亡させる毒量です。人の致死量は5,000〜10,000マウスユニットと言われており、テトロドトキシンではわずか2〜3mgに相当し、青酸カリの約100倍の強さを持っています。
(資料提供/財団法人石川県予防医学協会)

■ふぐ毒はどこに含まれるか
テトロドトキシンはふぐの肝臓や腸、胃、卵巣などの内臓に多く含まれています。ふぐの種類によって、皮や筋肉(身)に毒がある場合もあり、部位によっても毒性が異なるため、食用が許可されたふぐでも食用してよい部位まで厳しく決められています。 

日本産ふぐの毒力表(谷厳博士・1945年)
科名 種類 卵巣 精巣 肝臓 血液
マフグ科 クサフグ  
コモンフグ  
ヒガンフグ × ×
ショウサイフグ ×  
マフグ × ×  
メフグ × ×  
アカメフグ × × ×
トラフグ × × × ×
シマフグ × × ×  
ゴマフグ × × ×  
カナフグ × × × × ×  
サバフグ × × × × × ×  
カワフグ × × × × × ×  
キタマクラ科 キタマクラ ×   ×  
ハリセンボン科 ハリセンボン ×   × × × ×  
イシガキフグ ×   × × × ×  
ハコフグ科 ハコフグ × × × × × ×  
ウミスズメ × × × × × ×  
イトマキフグ × × × × × ×  

※毒力はすべて各種各部位のもっとも強い数値を示す。
:猛毒、10g以下で致死的
:強毒、10g以下では致死的とはならない
:弱毒、100gでは致死的とはならない
×:無毒、1000g以下では致死的とはならない

■ふぐ毒の不思議-「毒のないふぐ」と「ふぐ毒をもつ他の生物」-
危険なふぐ毒ですが、同じ種類のふぐでも毒性の強さは個体によってかなり違いがあり、同じ個体でも季節によって変化することがわかっています。また、生息している地域によっても毒性が異なり、一般的に南に生息するふぐのほうが毒性が強いといわれています。そのうえ、なんと、養殖ふぐでは毒のないふぐが見つかっています。さらには、ツムギハゼやヒョウモンダコ、ボウシュウボラなどの海洋生物やある種のイモリやカエルがテトロドトキシンを持っているいることもわかってきました。
ふぐの特徴といえば、「毒があること」を一番にあげる人が多いと思いますが、実はふぐはもともと無毒であり、なんらかの原因によって有毒化するようになったのではないかと考えられています。

■ふぐ毒はどうしてできるのか
では、ふぐの毒は何に起因するものなのでしょうか。さまざまな研究から、ふぐが食べているエサが原因ではないかと推測されています。 ふぐは雑食性で、いろいろなものを食べます。調べると、そのなかのハナムシロガイ(小型の巻き貝)やトゲモミジガイ(ヒトデの1種)などからテトロドトキシンが微量ですが発見されました。さらに食物連鎖をたどっていくと、石灰藻という海藻にテトロドトキシンに近い物質が見つかりました。そして、海中の一部の細菌がテトロドトキシンをつくることがわかってきています。これらの細菌がふぐ毒の起源だろうと考えられています。
しかし、同じ海中にすむふぐ以外の魚類の多くはなぜ毒を持たないのでしょうか。ふぐにはテトロドトキシンを蓄積しやすい性質があることもわかってきていますが、この謎はまだはっきりと解明されていません。