日本屈指の自然が豊富な食材の宝庫に
石川県には、豊富な食材をもたらす独特の自然条件がそろっている。背後に白山連峰、眼前には日本海を望み、
能登半島から加賀には長い海岸線が走る。日本列島のほぼ中央に位置することから、対馬暖流や冬の季節風の影
響を受けるなど、日本でも指折りの変化に富んだ自然を持つ。
レンコンやカブなど、野菜類のおいしい産地が近くに控えるほか、能登の海には全国でも最大規模の藻場が発達。
甘エビやカニ、ブリ、ヒラメなど、四季折々、200種以上の魚が食卓にのぼると言われている。
厳しい寒さが旨い食材を育む
石川県の気候は、県土が南北に細長く、地勢も複雑なため、ひとまとめでは表現しにくいが、全般的に言えば
夏は蒸し暑く、冬は雪が多い、多雨多雪の湿潤な気候である。冬の寒さは厳しく、日本海の荒波が容赦なく打ち
寄せるが、一方で、その寒さが旨い食材を育むのも事実だ。
例えば、冬の味覚の代表格である寒ブリは、厳しい寒さと日本海の激流にもまれ、養殖とは脂ののりが一味違う。
雪国ならではの生活の知恵が
個性的な珍味に
雪に閉ざされることが多かった石川では、冬場をしのぐための保存食として発展し
てきたものも多い。例えば「巻ブリ」は、ブリを独特の製法で塩漬けにしたものであ
り、頭と中骨を取り除いたタラをカチカチに干した「棒ダラ」は、正月料理に欠かせ
ないものだった。そのほか「フグの糠漬け」など、独特の味わいを演出するとともに
保存性を高くする雪国が育んだ生活の知恵が随所に見られる。
現代社会は、物流の発達や冷蔵庫の普及などによって、食卓に新鮮な食材が並ぶの
は当たり前の時代だが、そのようなものがなかった時代、食物をいかに保存しておく
かということへの研究心は並大抵ではなかったに違いない。
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